久しぶりの学術集会への参加~子連れ学会体験記~

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

学会の学術集会や大会は子連れには託児所サービス利用はありがたいですが、そこまで優しくありません。

2人の子どもの産後となってから学会参加したのは2回だけです。うち1回は子どもたちは夫と遊びに、そして先日はじめて子どもと一緒に学術集会に参加しました。

学会参加をどうしようか、悩むママさんや、興味がある方向けです。

学会、学術集会とは?

医療系従事者や研究系の分野の方、大学院の頃に学会参加されていたり、専門資格の維持のために定期的に学会発表、参加している方もいると思いますが、見慣れない、聞きなれない方もいらっしゃると思います。

学会運営ジャーナルより学会定義を引用します。

学会とは、学者や研究者が、自身の研究成果を発表し、その妥当性を検討論議する場であるとされています。また同時に、査読、研究発表会、講演会、学会誌、学術論文誌などの研究成果の発表の場を提供する業務や、研究者同士の交流などの役目も果たす機関でもあります。 

学会の活動内容は各学会により異なります。学会で論文などの研究成果を評価し合うことで学術分野全体を発展させ、新たな研究成果を普及させる目的があります。

学術集会とは、特定の分野や学術内容に興味のある人を対象とした集まりです。最新の情報を得たり、意見交換ができたりする場を指します。研究者や学者、その分野の第一人者などが参加して専門分野について講演を行ったり、シンポジウムが行われたりすることが多いでしょう。

https://www.soubun.com/journal/%E3%80%8C%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%80%8C%E5%AD%A6%E8%A1%93%E9%9B%86%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%80%8C%E5%AD%A6%E8%A1%93%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%9E%E3%82%8C%E3%81%AE%E6%84%8F/

所属学会は?(6/17追加)

医師は1つの学会だけに所属するということは少ないと思います。大概自分の専門に関わる2つ以上の学会に所属しているのではないでしょうか。

ちなみに私は日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会に所属して、それぞれの専門医を取得しています。腎臓内科を専攻する場合にはあるあるパターンです。これに日本高血圧学会、日本老年医学会や透析関連の学会に所属している方もいますが、専門医維持には学会発表、学会参加が必要ですし、学会費も1万円単位が多いので所属先が多いほど時間とお金が飛ぶ感覚です。

学会会場にある託児所、ないときや利用制限もある

学術集会、大会で大きい規模の会場では育児中の学会会員向けの託児所サービスが設けられています。ざっと見ると対象は生後3,6か月~就学前で、事前予約で1日の人数制限があるところが多いです。利用費用は無料から1000円円程度と正規の利用料金からは格安です。場所は会場内で、ミルク、離乳食は持参して温めはできないなど制限がありますが、発表や学会を単独でする場合には必須な存在です。ただコロナ期間中や会場規模によっては託児サービスはなしという会場もありました。そして子供の持病があると利用できないこともあり、相談が必要となります。

乳幼児で一時預かりは助かりますがいつもの保育園ではないので子ども心にはどうなのかな?と思いつつ、自分はオンライン活用や夫の協力もあり会場の託児所を利用したことがありませんでした。勤務先では子どもが乳児のときに託児所を利用して学会参加しているママさんはいました。

コロナ禍でオンライン参加、オンデマンド配信が増える

先日遠方へのマタ旅と妊婦の学会参加、出張への意識改革へ!危険と隣合わせ の後半に「コロナ禍が医学会にもたらした学会オンライン化」で記載していますが、育児中や学術集会、大会の開催地が遠方だった場合にはこのオンライン、オンデマンド配信がありがたいものです。しかしながらコロナの影響が減ってきた現在、学会によってはオンデマンド配信の数が限られ、同じ参加費用を払うのであれば現地参加の方がよいと思わせる内容であったり、規模が小さい学会は現地参加のみになってきています。

家族旅行を兼ねた地方学会参加

2人の子どもの育児中、学会集会、大会への参加できませんでしたが、少々前に仙台開催の中規模学会で発表の司会のオファーが来ました。せっかくの機会なので家族みんなで旅行がてら行けないか夫と相談した結果、行ってみよう、やってみようと参加することにしました。

私が司会で学会参加する4時間ほどの間で、夫と子ども2人は仙台アンパンマンこどもミュージアム(https://www.sendai-anpanman.jp/ )で遊んでもらうことにして、学会終わりに集まって温泉旅館に泊まって翌日変えるという行程です。仙台のアンパンマンミュージアムは横浜よりも比較的すいていていっぱい遊べたと聞きました。

一方の自分は担当の時間以外はポスター発表を聞いたり、口演会場をのぞしたり、知っている先生方と再会して情報交換できたりと、そこそこ満喫しました。

新幹線はやぶさに乗車し、新幹線弁当を食べ、アンパンマンミュージアムに行き子どもたちはご満悦、久しぶりの温泉で大変だった夫もねぎらいました。新幹線弁当の話は→子鉄とともに親も乗り物に詳しくなり、見て乗って楽しむ!

はじめての子連れ学会参加

今回6月に横浜で開催された透析医学会学術集会(https://www.congre.co.jp/jsdt2024/)はオンデマンド配信が5つほどと少ないこと、同期の集まりがあることから同学会には5年ぶりに現地へ参加することにしました。下の子どもは夫と留守番、上の子どもはついていきたいという希望もあり、学会会場へ連れていくことにしました。後でオンデマンド配信も視聴することにして、オンデマンド配信にはないポスター発表会場と隣り合わせの企業展示ブースに行くことにしました。

子どもが騒がないでいられることと、現場の滞在期間が1時間程度であることから託児所サービスは使いませんでした。

企業ブースでは透析患者さん用のお弁当の説明を聞いたり、製品のアンケートに答えてグッズを頂いたり、飲み物が選べるところでは子供用に紙パックのジュースをもらいました。ボールペンをもらったり、子どもが会場に慣れてからは、ポスター会場の気になるポスターを見回りました。

そんなこんなで途中座って子どもはジュースを飲みながら、1時間ほど回ってみました。

今回の目的はオンデマンド配信のない現場を見るということで、自分で発表や意見交換の場に行くということはしませんでしたので、子連れ参加に賛否あるかもしれませんが子どもが騒ぐことも、展示物を荒らすこともなく、無事終わりました。

透析学会で事件発生

このように久しぶりに参加した透析学会ですが、つい先日SNSで「透析学会」がトレンドにあがっていてびっくりしました。透析医学会理事長、大会会長連名で「第69回日本透析医学会学術集会最終日に発生した事案について」のお知らせがありました。

第69回日本透析医学会学術集会最終日に演者~聴講者間の学会会員同士の暴力事案が発生しました。
医学会は高い倫理観を求められる医師などの任意研究団体です。
日本透析医学会としては学術集会会場内が不穏な状況になったことは大変遺憾であり、今後、同じことが生じないよう猛省を促します。

https://www.jsdt.or.jp/info/4272.html

昨今の学術集会、大会でこんな不穏な事を聞いたことがありませんが、事件当日別会場とはいえいますたが、特に不穏な状況には気づかずでした。事情は知りませんが大会運営側の方はさぞかし大変だったことでしょう。

日本透析医学会の会員は?

せっかくなので透析学会について

日本透析医学会は、透析医学すなわち血液浄化法(血液透析法,腹膜透析法,血液濾過法,血液吸着法,血漿交換法等)とその対象疾患の病因、病態に関する研究調査を行い、それについての発表、知識の交換、情報の提供等を行うことにより、透析医学に関する研究の進歩と知識の普及を図り、学術の発展に寄与することを目的としています。

https://www.jsdt.or.jp/jsdt/20.html

ですので会員は透析に関わる臨床工学技士、医師(腎臓内科、糖尿病内科、循環器内科、腎臓外科、泌尿器科、心臓血管外科)、看護師、薬剤師、栄養士らが含まれており、学会規模としては大きいものです。18,263名(正会員14,095名、施設会員4,168施設)(https://jams.med.or.jp/members-s/100.html より)となっています。

この人数が参加可能で開催できるのは宿泊施設がそれなりにあるというところから、横浜、神戸、大阪などが多くなっています。

日本透析医学会と関連した学会には、日本腹膜透析医学会(https://www.jspd.jp/)、日本アフェレシス学会(https://www.apheresis-jp.org/)、日本急性血液浄化学会(http://jsbpcc.umin.jp/)などがあります。これらの学会を複数入っている方もいます。

学会の開催場所が地方であると、そこの名産特産を味わえたり、学会前後に観光をしていったりと旅行気分が味わえます。子連れだとまず参加をどうするのか、子連れの場合には託児所を利用するのか、家族に頼むのか、それこそ一家総出で行くというご家庭もありますね。

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

集会、大会をじっくりと意見交換や質問もしながら、発表もという場合には単独参加が望ましいです。

オンデマンドとの併用や会場にしかないものをさっと見る分には就学前後のお子さんと一緒も可ではあります。

ただお子さんがそれを望んでいるのか、少なくとも子供向けのものはありませんのでよくよく検討してください。

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