他職種との連携①薬剤師さんは名探偵!?

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

芸人さんが薬剤師さんの仕事を揶揄して謝罪するという事態が起きていると知りました。

薬剤師さんが自らこんなにやっているのですよ!とアピールすることは難しいかもしれません。

ということでいつも助けれらている薬剤師さんをクローズアップしどれだけすごいか紹介します。

いずれにしても人の仕事を貶める言動はどうかと思いますね・・・

医師としては薬剤師さんとの関わりは①外来で処方を出して院外処方をしたときの処方箋薬局の薬剤師さん②院内処方の病院薬剤師さん この2パターンとなります。

まずは薬剤師さんからよく指摘されることの事例をご覧ください。

院外処方からの指摘

ケース①処方箋薬局からの問い合わせ 処方日数の間違いの指摘 

院外薬局 
薬剤師さん
院外薬局  薬剤師さん

●●薬局の▲▲です。■さんの処方箋のことでの問い合わせです。週1回の内服のボナロンが次回の外来日数分で出ています。週1回に変更で日数変更してよいでしょうか?

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

指摘ありがとうございます。他の連日内服の薬の日数で処方を出してしまっていました。週1回の日数に変更してください。

ケース②他院での処方の重なりの指摘

●●薬局の▲▲です。■さんの処方箋のことでの問い合わせです。他の病院でも降圧剤が処方されています。今回処方された降圧剤と重なりますがどうしますか?

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

ありがとうございます。患者さん本人から別の病院の通院という話を聞いていませんでした。今日血圧が高いというので処方したのですが、診てもらっているところで調整がいいので、私が処方した降圧剤はなしにして、患者さん本人にかかりつけで処方を相談してほしいと伝えてもらえますか?

院内処方ではさまざまな指摘を受けます

院内薬剤師
院内薬剤師

薬局の●●です。先生の処方された点滴ですが、この薬を混注すると薬効が2割ほど落ちますがそのままでいいでしょうか?

院内薬剤師
院内薬剤師

薬局の●●です。先生の処方では▲日から薬が切れています。おそらく定期の処方が出ていると思ってカルテにもそう書いてありますが実際には出ていませんよ。

院内薬剤師
院内薬剤師

薬局の●●です。この患者さんの腎機能ですと、この薬は3日程度はそのままでもいいですが、継続処方されるなら蓄積性があるので1日おきへ変更していただく方がよいですよ。

このほかにも薬の内服量の過不足ミスの指摘などもあります。医師としては薬の新規処方や変更、中止はカルテにその理由を書くのが重要です。薬剤師さんは医師に確認する前にカルテをチェックしています。院内でカルテが見れるというのは電子カルテの良いところですね。

入院時の薬のチェック

他にも重要なのは入院時に患者さんが持参される薬剤の確認やその管理です。お薬手帳持参され、その内容と薬剤が合っていればいいですが中にはずいぶん前の薬を持参される方もいます。薬剤師さんはその1つ1つの名前、用量、投与方法を確認し何日分持参薬があるかもチェックします。また処方されていても患者さん本人の聞き取りで内服していない、内服時間が違ったなども確認しています。

入院中、退院時の薬の飲み方の確認

病院にもよるでしょうが、以前勤務した大きい病院では病棟を対応する薬剤師さんがいて、患者さんの処方の変更や退院時の処方について患者さんに直接内服の注意や指導をしていました。これは服薬指導といいます。

病院の薬剤師さん主役の漫画 アンサングシンデレラ にも服薬指導の話が出ています。この本のように薬剤師さんが活躍することがないかもしれませんが、縁の下の力持ちです。

薬の投与方法、混注してよいかなど質問

薬を処方するときには製薬会社さんが出している薬の添付文書をみて使用方法を確認して処方します。ただ腎機能が悪い場合に減量が必要か、また点滴の中に混ぜ合わせてよいものか?など添付文書に書いていないときもあります。そのようなときに困ったときの薬剤師さん!で電話します。

薬剤師さんは文献をみたり、薬の販売元の製薬会社に確認して丁寧に回答をしてもらっています。

処方ミスの指摘を推察した上で連絡をくれることも

先日、病棟の薬剤師さんが不在の主治医が処方した薬が途中からカルテと違う量が処方されていて、どっちが正しいのか、カルテと処方日と遡って、ああだこうだと薬剤師さん同士で、医師の行動を予測しているところに出会いました。医師のカルテを読み込んで処方の意図を把握されています。

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

薬剤師さんは推理探偵みたいね!

医師向けに製薬会社さんから新薬の説明会というのがあります。薬剤師さん向けにも説明会があり、その内容は医師向けよりもより高度です。

医師は薬剤の勉強は医学部時代に薬理学として一通りしていますが、医療現場ではその薬の作用、副作用、用量、用法に注目し、血行動態や薬理作用までは考えられないこともありがちです。

薬剤師さんも日々勉強

薬の世界は日進月歩で特にガン関係、分子標的治療薬などはどんどん出てきています。その調合をするスペシャリストの薬剤師さんたちは日々、薬について学んでいます。

以前いた病院では図書館の文献検索に薬剤師さんが薬関係の論文検索に良く来ていて遭遇しました。お互い日進月歩の世界ですからね。

薬剤師さんは縁の下の力持ち!

薬剤は処方量、投与方法の間違いで毒にも薬にもなります。正しく使用してもアレルギー、副作用を起こす可能性もあります。医師の持っている薬剤情報は教科書的であり、添付文書以上のことはわかっていなかったりします。添付文書の副作用も追加されているので古い以前の通りと思っては間違う可能性もあります。

薬剤師さんの情報にはそれ以上のことや、患者さんに直接聞いた情報も有益なことをもたらしてくれます。医療は多職種で成り立っています。表明に見えているものだけでなく、支えてもらう貴重な人たちを今後も紹介していきたいと考えています。

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

最近は常用の薬剤の在庫がなくなり、他の在庫がないか、いろいろ調達に苦労されている姿を見ます。

病院の薬剤師さんも処方箋薬局の薬剤師さんも医師の処方ミスや患者さんへの説明など多種な仕事ですがこれからもよろしくお願いしますね。

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