昔の記憶ではおばあちゃんの家がボットン便所であったり、山登りにいくと頂上付近にはトイレがなくて草むらで用を足さないといけなかったりというのが今から30-40年前の話です。
昔のトイレは菌木星の芳香剤が多かったので今でも菌木星の匂いがしてくるとトイレを思い出す、そんな日本人は40歳以上の年齢で多くないですか?
ちょうど子どもの和式トイレ練習をしたので今回はトイレ、特に和式トイレに焦点をあてました
和式トイレはどこにある?
最近和式トイレを利用することありますか?
大人になってからは和式トイレを利用する機会はものすごく少なくなり、あったとしても複数のトイレの1つというパターンで洋式トイレの空きを待って和式を利用しないということもありました。ここ最近はめったに見かけないですね。
公衆トイレと近くの小学校のトイレでは見かけました。
今回はお子さんが小学校で和式トイレを使わないといけない状況という親御さんや、和式トイレの存在に興味がある方向けです。
小学校では和式トイレがあります
出歩く限りはあまり和式トイレを見ません。その中でも小中学校内にはいまだに和式トイレがある可能性が高いのです。
小学校では「和式トイレの練習をしてきてください」と言われることがあるそうで、現に和式トイレがあるのです。そして課外活動でも和式トイレを利用する可能性があります。
自分が住んでいる東京都は全国の中でも和式トイレは1割程度と少ないのですが・・・やはりあります。
都道府県の学校のトイレの数 和式トイレは減少しているが地域では半数以上もあり
令和5年9月の文部化科学省から「公立学校施設のトイレ洋式化の状況」(https://www.mext.go.jp/content/20200926-mxt_sisetujo-000010121_02.pdf)を参照すると、和式トイレ率が多いのは山口県52.8%、島根県52%、佐賀県47.6% 、少ないのは富山県13.5% 、東京都17.8% 、沖縄県18.5%です。都道府県で平均したものですので、区市町村の中には0%~70%と設置率は様々であることがわかります。
公立小中学校におけるトイレの全便器数は約133万個であり,そのうち洋便器数は約91万個,洋便器率は68.3%(前回57.0%,11.3ポイント増),和便器数は約42万個,和便器率は31.7%(前回43.0%,11.3ポイン
ト減)でした。トイレ整備に対する教育委員会の方針を調査したところ,小中学校のうち,各学校で和便器よりも洋便器を多く設置する方針の学校設置者が全体の約92%(前回約88%,約4ポイント増)でした。※図の転載
https://www.mext.go.jp/content/000254995.pdf
公立小中学校の調査ですので、私立小中学校は洋式率が多いのではないでしょうか?データは探せませんでした。
学校の洋式トイレ日本一の富山県
意外にといったら失礼でしょうが、洋式トイレの設置率2位の東京を上回ったのが富山県です。下の記事参照となりますがトイレの改善に努めた結果なのですね。富山県を見習えではありませんが、どこを重点的にしていくのかに寄るのでしょう。
前回調査では全国4位(54・3%)だった富山が1位になった大きな要因は、県内の公立小中学校のトイレの4割弱をしめる県都・富山市の取り組みだ。
市教育委員会によると、19年度に新規で「トイレ環境改善事業」を開始。約12億7千万円を投入した。これにより、当時は16年の県全体の数字とほぼ同じだった約54%の洋式化率が一気に上がり、現在約94%になったという。
https://www.asahi.com/articles/ASP3M7DSWP3MPISC00G.html
トイレ改修事業の補助がありますがどこに重点を置くか?
トイレ環境を改善するため、全体的に改修を行う工事に対し、国庫補助を行っています。1/3(財政力指数1.00超の地方公共団体 ・・・・・・2/7)
※対象工事費 下限額 400万円 上限額 7,000万円
和式から洋式へトイレ改修をする費用は一般家庭では25-50万とされています。補助があっても2/3は費用が必要となるためこのトイレ改修度の優先されるかどうか次第と言えます。
下の記事のように耐震やエアコンの方がトイレよりはるかに必要と言えてうなずけます。重点的に取り組むと前述した富山県の設置率につながるのでしょう。
前明石市長の泉房穂氏は「学校施設整備費という名目で国から3分の1程度の補助が出る。これをどこに使うか。市長時代は4つあった。1つ目は耐震化、2つ目がエアコン、3つ目が障害者用のエレベーター、4つ目が洋式トイレだ。在任中は障害者エレベーターを優先し、耐震化やエアコン整備も全部やった。正直に言うと、洋式トイレの優先度は4番目だった」と言及
https://news.yahoo.co.jp/articles/03281edc2602315c9a2567a796c600414c00d109
ただ小中学校は避難所となるため高齢者には和式トイレは使いづらく、洋式トイレへの改修が進んではいるようですね。
2016年の熊本地震の被災者のアンケート(n=101)では避難所で困ったことの第一位がトイレで、中でも和式トイレが多かったという理由が一番多いそうです。(引用元:https://www.school-toilet.jp/journal/book2020/#page=3)
子どもの和式トイレ練習→成功体験
最近子どもと和式トイレの練習をしました。
ちょうど駅のトイレが和式だったので、家でウンチングスタイルを練習しイメージをしてもらって、子どもも「和式を頑張る!」と乗り気でした。まだ小さいので利用できない下の子もノリノリでウンチングスタイルをこうでしょ!とやっていました。
某日習い事の前に時間に余裕があり、駅の公衆トイレの和式に挑戦!
まず子供が和式便器への立つ位置が後ろ過ぎたので、前だよ、前だよと教えました。何とか足の位置がOKとなりましたが、今度は重心の位置が後ろでひっくり返りそうなので本人を母の自分が後ろから支えました。
そしてトイレットペーパーでまたバランスを崩しそうになりました。
無事レバーを押して流せたので本人は満足していました。
ただ小さい虫が入ってきて「虫虫!」とせっかくのトイレへの集中が散漫となり、危なかった!和式トイレは目線が下になるので洋式トイレにいるときよりも虫が気になりやすいとは気づきました。
あと2-3回は練習しないとねと話していた翌日に、課外活動に参加したところ、和式トイレがあって自分で用を足せたよ!と意気揚々と戻ってきました。子どもの成長はすごい!あんなに倒れそうだったのに、一人でできるとは侮っていました。
また和式トイレに挑戦したい!と意気込んでいるので、子どもにとっては新しい挑戦という点では和式トイレは避けたい存在ではなくほっとしています。
和式トイレのメリットはあるのか?
踏ん張る姿勢が便秘対策になる、足腰が鍛えられる・・・というコメントも多少みられますが、一番考える必要があるのは衛生上、安全上の問題でしょう。
和式トイレは周りに尿が飛び散り、非衛生的です。ホースで水を流して洗えるとはいえ、頻繁な掃除はしがたいです。後述しますが水での掃除は逆に細菌が多いという話もあります。
安全面でも足腰が弱っている高齢者は転倒するリスクがあり、誰かが支える必要がありますが、やはり危ないです。
総合すると和式トイレのメリットはなく、今の流れと同じく数は減らしていき、予算があればの話ですが洋式へ改修していくのが妥当と思います。
学校のトイレの「5K」問題
昔のトイレといったイメージですね。ただ古い校舎はまだ多くあり、そのトイレは和式洋式問わず5Kである可能性があります。現代の自宅のきれいな洋式トイレに慣れてしまうと、臭う学校のトイレの利用がしにくく、排便を我慢してしまう便秘問題も出てきます。
敬遠しがちな仕事を「きつい」「汚い」「危険」、頭文字をとって3Kと呼ばれます。それに対する学校の5Kとは何か知っていますか?トイレの5Kは「汚い」、「臭い」、「暗い」、「怖い」、「壊れている」を指します。
さすがにこのKが5つ揃ったトイレはそんなにないと願っていますが、この5Kの中で「怖い」は利用者の主観です。他の4Kがあるから怖いにつながっていくので対策は汚い→きれい、臭い→対策、暗い→明るく、壊れている→修理するといった対応の結果、怖いが減っていくはずです。ただ「トイレの花子さん」など学校の怪談の場でもありますね。花子さんは和式トイレから出てきていたような・・・
小学生の便秘問題
そういえば、自分が小学生のときそこまで学校のトイレを汚いとは思いませんでしたが、落ちつかず、もともと便秘気味でしたが小学校のときにトイレで排便したことはほぼなかったと思います。
詳しくは→便秘で困っていない?!便秘はQOLを低下させる!コロコロ便をバナナ便へ
今回は日本トイレ研究所(https://www.toilet.or.jp/)のデータをいくつか紹介させていいただきます。
日本トイレ研究所は2017年、47都道府県の小学生4777名の保護者を対象に「小学生の排便と生活習慣に関する調査」を実施しました。
小学生の 6 人に 1 人(16.6%)が便秘状態で、3 人に 1 人(37.3%)は便秘状態・便秘予備軍であることが判明!便秘状態の小学生の 47.2%は誰にも相談したことがなく、保護者の 26.6%は子どもが便秘状態にあると認識せず。
小学生の 2 人に 1 人(51.3%)が学校でうんちをしないと回答。さらに学年が上がるほど排便時に人目を気にする傾向が明らかに。
https://www.toilet.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/activities03.pdf
子どもが生まれてから保育園、幼稚園までは週に何回排便があるのか、便秘ではないが絶えず気にしていますが、小学校にあがると保護者が便秘を把握できなくなるようです。子どもも正直に報告はしない場合もあるでしょう。
この便秘を対策しないと、大人でも便秘が続くかもしれません。
これは前述した和式トイレ設置率のデータ時期に数年差があるので細かく照らし合わせてはいませんがと同部県別の便秘の回答率と和式トイレ設置率との相関はなさそうで、一概に便秘を和式トイレのせいとはいえません。ただ学校トイレの5K 問題で学校で排便がしにくいという背景はあるのではと考えます。
和式便器まわりは洋式便器まわりより大腸菌が164倍
学校のトイレ研究会の感染対策ブック(https://www.school-toilet.jp/journal/book2020/#page=3)より図を引用します。
和式トイレでは掃除が湿式と乾式と2種類があり、床に水を流して掃除する湿式の方が菌が多いとのことです。(上の左図のグラフ左2つ)
この右図を見ると、和式トイレの使用後の靴に大腸菌などが付いて教室などに移動してしまうことがわかります。トイレで物を落として拾ったことあると思いますが、和式トイレで落とすと・・・怖いですね。
このような背景もあり新型コロナウィルス感染の感染対策の1つとしても、洋式トイレへの改修、手洗いの徹底が取り組まれることになりました。ウィルスは便にも出ますので、もし利用者が感染していた場合には感染拡大の温床にもなりかねません。
トイレは学校の5Kからきれい、明るい、過ごしやすいへの変化を遂げていっていると思います。デパートやホテルの女子トイレを利用すると鏡の前には化粧直しをする女性がよくいます。また中で着替えられる台が置いてあったり、トイレのスペースが広かったりと利用者にありがたいトイレが増えています。
トイレも多様性を ジェンダーレストイレの設置の動き
和式、洋式での話をしてきましたが、自分が女子トイレと子どもと利用する多目的トイレしか利用しないので男子トイレは未知なる場所です。男子だと小便用の便器が洋式、和式とは別に設置されていますね。子どもの保育園にも、小便用の便器と洋式トイレとが設置されていました。
今はLGBTの方も子どものころからいます。前述の学年が上がると人の目が気になり排便しにくくなるという意見があることから、小便用便器も仕切りを設けたり、トイレに個室のタイプを増やすことも多様性の中でよいのではないかと思います。学校内には障害や足の悪い方もいまし、避難所になる可能性もあるので多目的トイレなども必要になりますね。
最近は「ジェンダーレストイレ」といって男女を分けないトイレも出てきてはいます。性犯罪の点からは好ましくはないのかもと賛否ありますが、子どものトイレに付き添う場合、性別が違う親だとそのトイレに入るか多目的トイレに入るかのどちらかになるため、男女の関係のない共用トイレも親にとっては性別の違う子と一緒に利用はしやすいように思えます。
和式トイレの不便・不衛生な問題、小学生の便秘問題とトイレに関する話題を提供してきました。トイレで落ち着いて排便、排尿できるとなると、学校でも排便ができ、子どもの便秘解消に向けて全体で取り組めるとよいなと思います。
子どもの和式トイレへの挑戦をきかっけに長々とトイレについて綴ってきました。
和式トイレの見直しと、小学校の便秘対策は子どもと日本の将来にも重要だなと思いました。
踏切問題でも思いましたが、何かを大掛かりに行うには予算、お金が必要ですね。