地域医療とお米と只見線 地域医療研修はいまでも医者としての糧です!(初期研修医時代)

読んでいる皆さんは都市部でしょうか?

今回は自分が初期研修医で地域医療で巡った医療現場・その地域と只見線についての話です。

医学生さんや「地域医療研修」に疑問・興味を持つ方向けですが、旅好き、鉄道好きさんも一読いただけますと幸いです。

初期研修の「地域医療研修」

初期研修では地域医療研修を「4週間以上」行うことが義務付けられています。地域医療では場所によってになりますが、僻地医療、在宅医療、保健所医療などを学べます。

初期研修医が勤務する臨床研修指定病院が地域医療研修のプログラムを組むために、事前に地域医療研修をどこかにお願いするのです。どこかというのは、その臨床病院から離れた地域でもお願いができますし、受け入れる側としても普段の診療に自分の病院外の若い医師が来るというところで対応も大変なことです。数日ではなく何週間も!

ですのでいくつかの診療所や保健所に分けてお願いをしたりするようで、以前プログラムを作る先生が地域医療をお願いする先がなかなかないと嘆いているのを聞きました。

そのため地域医療といっても都市部の保健所で研修をする場合もあるのです。どこで地域医療研修を行うかは、病院によりその場所と研修内容は多岐にわたります。

新潟県中越での研修

私は初期研修医2年目のとき新潟県中越で地域医療を行いました。中越地震より後の話になります。

その地域の民宿に泊まり、徒歩で行ける診療所が研修のメインの場所でした。

そして自分の車は遠方で雪が降る可能性があって持ってきてないので、徒歩圏外のときは地域医療の担当の方に送迎をしていただいたり、診療所の車に同乗させてもらったりしました。

~地域研修での思い出3選~

①小学校でのインフルエンザワクチン接種

地域医療として地域全体でプログラムを組んでいただいて、毎日いろいろな場所に出かけたり経験を積みました。

思い出深いのは小学校の小学生へのワクチン接種です。時期が秋でしたので、小学校に出向きひたすら小学生さんに皮下注射をしました。研修医として皮下注射経験はありましたが、何十人もの子供たちに接種するのは初めての経験でした。

②地域住民さんへの糖尿病教室

一番緊張したのが地域での糖尿病予防教室の講師をしたことです(下のイラストよりもっとこじんまりとしていますよ)。白衣を着ていますので医者2年目の若手でも、地域の方は真剣に耳を傾けてくれました。

患者さん向けに食事や運動や生活について自分でスライドを作って提示して、地元の人に質問を受けたりしました。

こういう地域の方とのふれあいはこれがはじめてでしたし、その後も同じような経験はしていません。

③介護の現場を知る、ケアマネさんと一緒に患者さん訪問

要介護の高齢者の方のお家をケアマネさん、ヘルパーさんと訪問したり、老人ホームの一部を見学したり、介護認定についてその認定決めの会議を見学させてもらったりしました。

地域医療の研修期間は?

「4週間以上」といっても他の科も回るべきものが多いので、だいたいは地域医療研修は1カ月の期間になります。

どこで研修するかはその研修病院のプログラム内で決まっていますが、もし事前に地域医療研修の良さも臨床研修先に決めるポイントにしてもいいと思います。

地域医療、在宅医療、介護サービスのことなど実地をみることができ、快くかかわらせてもらって大変よい研修ができました。

介護の申請時に主治医意見書をお願いされることがありますが、この地域医療のこと、実際に何が困っているかなど想像ではなく実体験できたので、単に書くではなく、本人、家族がどうありたいのかを考えながら書くことができています。

研修中に休みはあるの?ありました!

地域医療では基本は診療所勤務ですが、土日は休みで担当患者さんもいないため完全にフリーでした。が、一緒に研仲間も近くにいないので単独行動になります。

研修担当の関係の方が親切に奥只見ダムまで連れて行っていただいたりもしました。絶景です!→http://okutadami.co.jp/dam/

福島と新潟を結ぶ「只見線」 

鉄道ファンに有名な路線だそうです。

私がいた場所から近くのコンビニまで10kmほどかかるのでで、基本週末は電車で移動になります。最寄りになる駅は「只見線」というローカル線でした。

この電車は福島県の会津若松から新潟県の小出までつなぐ路線で、1時間に1本も行き来がないのでした。

この路線は鉄道ファンには憧れで、「第一只見川橋梁」が撮り鉄には人気スポットだそうです。只野線ポータルサイト→https://tadami-line.jp/

残念ながら生活の唯一の足として利用していたため、マニアが好きな風景などは見れず、最寄り駅までの乗車という形でした。

今振り返ると休みの1日を使って只見線1周をしてみたかったものです!当時は思いつきませんでした。

食事は?おいしい魚沼米との出会い

民宿に泊まっていたので朝、晩は基本民宿での食事でした。これがまた地元の食材を使ったお料理で、見た目もボリュームもあり、さらにお米はおいしいと評判の魚沼米コシヒカリでお櫃のお米が光っているようでした。すべてが美味です!

また、研修でお世話になって看護師さんからお米を分けてもらったのですが、魚沼米を天日干ししたものだそうで持って帰って家族に渡したところ、後日家族が大絶賛していました。

この研修の後、体重は3㎏ほど増えてしまいました。ごはんがおいしすぎたからですが後悔はしていません。

当時の経験はいまも随所に活かされています。地域医療研修を受け入れてくださった関係者の皆様に感謝しています。

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