保育園通園しているといろいろな感染症にさらされ、しょっちゅう熱をだしたりと対応に追われることと思います
いわゆる子供で流行する感染症、大人にも感染するんですよ!
自分も感染し昨今急増しているアデノウィルス、溶連菌感染症をピックアップしました。
子育て世代+大人向けです。
咽頭結膜熱は目の前が湯気のように曇るんです
最近話題に出てくる「プール熱・咽頭結膜熱」「溶連菌感染症」は子供が生まれる前に大人になった自分自身も感染しました。
アデノウイルスによる咽頭結膜熱について、日本水泳連盟など3団体が「偏見につながる」として「プール熱」という呼称を使用しないよう厚生労働省に要請した。例年夏に感染が流行し、広く浸透した名称だが、今年は秋以降も大流行中。
(12月1日付東京新聞より引用)https://www.tokyo-np.co.jp/article/293214
厚生労働省の咽頭結膜熱ページ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html
症例(くまさん本人):30代女性 前日までは何の症状もなかったが、起床時に右目が開きにくく、白色の眼脂を伴い、目の前が曇っているような自覚症状があった。鏡で見ると結膜の充血と眼脂が多かった。その後発熱、咳嗽を伴い、眼科受診の結果、咽頭結膜熱の診断で点眼薬を処方された。
このときは2週間の自宅療養で、夫も感染し2人で咳・痰がひどくてひどくて咳で寝れないほどでした。今もあれが一番大変だったね~と話をしています。感染源はわかりませんが、発症前に親戚の子供と遊びましたが本人は会った前後でアデノの症状はないとのことでした。
溶連菌感染症は過去十年で最多!咽頭がかなり痛い!
こちらも感染者の増加がクローズアップされて、ニュースにでていましたね。
NHKニュース→https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231226/k10014300271000.html
症例(くまさん本人):30代女性 強い咽頭痛を自覚し、その後発熱を伴った。耳鼻科受診の結果、溶連菌感染症の診断で抗生剤を処方された。
コロナ感染症の際も強い咽頭痛がありましたが、溶連菌感染症の咽頭炎もかなりの痛みでした。
感冒は通常はウィルス感染症のためインフルエンザ以外では抗ウィルス薬や抗生物質は不要です。
ただ溶連菌感染症はしっかりペニシリン系抗菌薬を10日間内服をします。(セフェム系では5~7日間です)
溶連菌感染症で抗生剤が必要なのはなぜ?→合併症予防のため
リウマチ熱、急性糸球体腎炎などの合併症予防のために抗生剤の内服をするのです。
腎臓内科ですので、溶連菌感染後の急性糸球体腎炎の症例は経験があります。感染後10日間ほどの潜伏期を経て、血尿・蛋白尿、浮腫、高血圧で発症します。若い年齢の方に多く、軽症では症状がないこともありますが、重症で急性腎機能障害を行う場合には入院で経過を見ます。
新型コロナウィルス感染症拡大の影響でマスクの着用やうがい、手洗いの徹底がされ、大流行の感染症が減った印象ですがこの2つの感染症は今年感染拡大していますね。
SNSで糸球体腎炎後の高血圧性脳症の報告(追加)
2024年4月末に溶連菌感染後の糸球体腎炎に症状なく罹患された10歳のお子さんがその後、高血圧性脳症で痙攣した経過が親御さんからSNSにあがっていました。ちょうど同じような小児の症例の報告が学会誌にありました。古いですが参考になります→https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpn/16/1/16_1_1/_pdf/-char/ja
溶連菌感染自体あやふやなまま、急性糸球体腎炎を発症して、小児は日ごろ血圧測定をしませんから、いつのまにか血圧上昇し、高血圧脳症に至るケースが稀出るがあるという経過です。
早期の医療機関受診と診断が必要です
お子さんの病気、お子さんだけが注意をとは思わないようにしましょう。
ちなみにインフルエンザウィルス感染症では、自費にはなりますが抗ウィルス薬の予防内服も可能です。子供がインフルエンザになると看護する自分もなりかねないので、タミフルの予防内服をしていました。
私が溶連菌やアデノウィルスに罹患したときは、子供とのふれあいがあまりなかった状況でした。
咽頭結膜熱は感染力が強く、速やかに診断後、自宅療養が必要ですし、溶連菌感染症は抗生剤内服が必要のためいずれも早期に医療機関受診をしましょう。