小児ワクチン接種は忙しい!ワクチン空白時期はないか?ワクチン接種しても時間がたてば無効なことも・・・

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

子供の0歳から1歳までワクチン接種の多さ、すごくありませんか?

年とともにだんだん接種の間隔があいてほっとしています~

先日子供の予防接種券が届きました。しばらく間があいていましたので、久しぶり感があります。今回はいろいろな予防接種についての話題です。幼児の保護者さんや医学生さん向きです。

予防接種は1歳までが多い!

予防接種スケジュール(https://www.know-vpd.jp/children/children_basic.htmよりPDF図転載)をみるといかに1歳までに多いかがわかります。一度に4種類接種できたりはありがたいのですが、赤ちゃんの両手両足に絆創膏を貼られてなんともいえない気持ちになりました。

ロタウィルスは2020年から定期接種となり、経口で2回もしくは3回の飲むワクチンです。ロタウィルス感染では乳幼児に重症な胃腸炎、下痢症状を起こすので、接種ができるとなって嬉しかったうえに注射でないので安心しました。ただ接種後の副作用の記載されている冊子に1~2週間は腸重積のリスクがあると書かれていて、おきませんようにと警戒しながら過ごしました。

小児科では接種の曜日時間指定がある病院もありますし、BCG接種は病院によって接種可能な日が限定的だったりしましたので、産後復帰して職場との調整が必要でした。土曜日に接種できる病院があり、現在は助かっています。

定期接種と任意接種の2種類がある

定期接種は無料で決められた期間に接種するものです。任意接種は公費助成があったりしますが自己負担のことがあります。インフルエンザについては自治体次第ですね。できれば定期接種を増やしてもらう方が全体の流行が抑えられるのではと思います。

大人で注意は風疹の予防接種です

有名なのが風疹の予防接種で、いまは定期接種で2回接種ですがいま(2024年)の35~62歳の女性、35~44、45歳の男性は1回の接種、また44、45歳以上の男性は接種なし。つまり、わりとお父さんとなる世代の方が風疹の抗体がなく感染する可能性があるのです。

平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、公費でワクチンを受ける機会がありましたが、昭和37年度から平成元年度に生まれた女性及び昭和54年度から平成元年度に生まれた男性は受けていても1回です。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回もその機会がなく、十分な免疫を持たない人達が蓄積していたものと考えられています。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html

それがなぜ問題かというと、お父さんからお母さんに感染すると妊娠中はワクチンが打てないために、胎児感染して先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が出てきます。キャンペーンもあり知っている方も多いと思います。

妊娠初期(20週以前)に風しんにかかると、胎児に感染し、赤ちゃんが難聴・白内障・先天性心疾患を特徴とする先天性風しん症候群を持ってうまれてくる可能性が高くなります。妊娠前であれば未接種・未り患の場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、風しんが発生している地域では可能な限り外出を避け、人ごみに近づかないようにするなどの注意が必要です。

同上

特に近年海外からの流行もあって、比較的風疹感染が増えたために実際に罹患した赤ちゃんが誕生しています。

2018~2019年には全国で年間2000人台と比較的大規模な風疹の流行がみられた。この流行との関連が疑われる6例の先天性風疹症候群の報告が2019~2021年に感染症発生動向調査に届け出られた。

未接種の年代の男性を対象とした風疹の第5期定期接種が2019(平成31)年度から開始されている

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2561-related-articles/related-articles-503/10925-503r01.htmlより一部改変

この先天風疹症候群についてはコウノドリ4巻に掲載されており、風疹流行の懸念のため漫画の無料一般公開もされており読んだ方も多いと思います。

子どもの自分が覚えているわけない予防接種、母子手帳だより!医療関係者は厳しい

さて自分がワクチン接種を受けているか把握していますか?赤ちゃんの頃に遡りますので、無理でしょう。そこで母子手帳の出番です。予防接種歴が記載されているので便利です。

医学生では高学年になると病院実習がはじまりますが、実習前にB型肝炎の予防接種を受けました。

そして、医師として働く前には予防接種の有無や採血による抗体価を確認されます。実際に罹患していると抗体価が高くなりますが予防接種ですと年々抗体価が下がってきます。

医療現場では感染症に遭遇する確率が高いので抗体がついていない場合は追加接種を求めらます。

私は流行性耳下腺炎の抗体価が低く、2回の追加接種を受けました。

日本脳炎ワクチンを打っていなかった

病院勤務には日本脳炎ワクチンの接種の有無は問われないのですが、母から自分が日本脳炎の3回打つ予定が風邪のために1回しか打てていないという話を聞いたので、子どもの接種と一緒に打つことにしました。もちろん自費ですので1回に1万円かかりました。それも3回もです。定期接種のうちにきちんと受けるべきですね。

B型肝炎ウィルスワクチンはたいていの医療者に必要

医療の現場で働き、患者さんの血液、体液に接する可能性がある場合には、B型肝炎ワクチン接種は必須です。特に透析室では患者さんの穿刺針が太く、感染リスクも高くなるので重々に注意が必要です。

・医療機関では、患者や患者の血液・体液に接する可能性のある場合は、B 型肝炎に対して感受性のあるすべての医療関係者に対して B 型肝炎ワクチン接種を実施しなければならない。

ワクチンは 0、1、6 ヵ月後の 3 回接種(1 シリーズ)を行う。

・3 回目の接種終了後から 1~2 ヵ月後に HBs 抗体検査を行い、10 mIU/mL 以上であれば免疫獲得と判定する。

・1回のシリーズで免疫獲得とならなかった医療関係者に対してはもう1シリーズのワクチン接種を考慮する。

環境感染誌  Vol. 35, Suppl. II, 2020

実は私は医学生の頃に1シリーズで免疫獲得できず(100人のクラスで5人ほどいました)、もう1シリーズ接種を受けましたが免疫を獲得できなかったため、以降は働く現場に透析室もありますが手袋装着、針刺しに気をつけながら勤務をしています。

日本脳炎ワクチン、HPVワクチン、コロナワクチンともに副反応を懸念されて、日本では接種反対が叫ばれたり、必要以上に不安をあおる情報が出たりしていました。接種のメリット、デメリット、それぞれあるので決めつけられませんが、医療関係者としては自分が発端に感染源となりたくないという気持ちがありますので、接種推進の方針ではいます。

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

これまで予防接種が平気だった子どもが、昨年のインフルエンザ予防接種で逃げ腰、大泣きに!

ひ~今度はどうなるかな・・・と不安でおります

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