帯状疱疹?教科書とは異なる水疱でした+ワクチンについても

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

みなさんは過去に水疱瘡に感染したことがありますか?一度かかっていると、将来帯状疱疹になる可能性がありますよ。

高齢や免疫が弱っていて帯状疱疹にかかりやすい方、そして帯状疱疹に興味がある方向けの話です。

病院内では皮膚科の知識は必要になります。

褥瘡もそうですし、薬疹や湿疹などよくみるので対処法をどうするか、皮膚科医に診てもらうのかなどです。

皮膚科の介入が必要なのは薬疹です。重症なものとしてはスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)で皮膚粘膜症候群ともいいます。他に中毒性表皮壊死症(TEN)、薬剤性過敏症症候群(DIHS)の3種類が挙がります。命にかかわることもあるので皮膚科の眼が必要なのです。

患者さんの目の周りにできた水疱

さて、あるとき患者さんの片方の目の周りが腫れたというので診察しました。瞼の上とその近くに水疱ができているのが見えました。水疱となると、帯状疱疹かな?という発想に一瞬なったものの、これまで何人も帯状疱疹の方の水疱をみて、教科書的に「小さい水疱の集まり」が決め手なため違うと考えました。また患者さん本人から痛みもかゆみもぴりぴり、全部ないよ~とのことで違うと思いました。

自分が病棟で参考にしている皮膚科の教科書です。写真もあり対応がわかりやすいです。

その翌日、水疱と発赤は大きくなっており、痛みはないとのことですが瞼が腫れて開かなくなります。

皮膚科の先生に診察をお願いしたところ、「これは帯状疱疹ね!」とのまさかの診断でした。単純ヘルペスの可能性を考えて抗ウィルス薬はすでに投与していましたが、投与量を帯状疱疹の量で増やし、目の角膜炎になる可能性を心配して目の軟膏処方が開始となりました。

1週間できれいに治り、ほっとしました。

初期研修医時代 胸痛で救急外来受診した患者さん

帯状疱疹つながりでもう1つお話しします。

自分が初期研修医のときに救急外来に胸が痛いという患者さんがきました。心電図変化や採血上心筋梗塞の所見はありませんが、心筋梗塞などの虚血性心疾患が否定できず緊急で心臓カテーテル検査をやりました。特に病変もなく終了し、経過観察で入院となりました。

数日後、左胸に小さな水疱がぽつぽつと現れて「帯状疱疹」と診断されました。つまり胸痛は帯状疱疹の痛みだったのです。帯状疱疹ははじめに痛み、そのあとに水疱が出てくるという時間差が多いのです。

このときのことを教訓に胸が痛いという患者さんには後日、胸にぽつぽつとした水疱ができたら帯状疱疹の痛みになるので皮膚科に行ってくださいと伝えるようになりました。

帯状疱疹に関して情報参考になりますので、帯状疱疹予防.jpを参照ください。→https://taijouhoushin-yobou.jp/ *このHP作成の会社が後述する帯状疱疹ワクチン「シングリックス」発売元です。

ワクチンは50歳以上からで接種は推奨されます

近年、帯状疱疹ワクチンを耳にします。皮膚科外来やクリニックでポスターを見ませんか?

高齢であれば帯状疱疹で重症化することもありますので、外来の患者さんから打っていいか?と聞かれる際には「どうぞ」と言っています。

2020年にワクチンの「シングリックス」が発売されました。通常2回接種します。コロナワクチンのように副反応もあり、副反応のだるさや痛みが大変で2回目を打たなかったという患者さんもいました。

ただ帯状疱疹になって大変なのは神経痛が出てくることがあるのです。早期診断、適切な治療により痛みが長引かないこともありますが、その痛みで日常生活に支障が出る方もいます。帯状疱疹後神経痛といいます。数年間痛みで悩まされたり、ペインクリニックに通院して内服調整をしたり苦労している方もいます。

ワクチンによってこれも予防できるようです。

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

私も50歳になったら帯状疱疹のワクチンを打とうと思います。50歳ぴったりにするかは決めかねていますが。

副反応が気になるので次の日がお休みの日に打つ!

追記:さて同年夏に40代で自分が帯状疱疹に罹患しました。このときの体験談を報告しますが、この当時は全く自分がなるとは思わなかったのです・・・→40代で帯状疱疹になりました~水疱瘡にかかっていなったはず・・・

1 COMMENT

40代で帯状疱疹になりました~水疱瘡にかかっていなったはず・・・ | 女医ママ くまさん(腎&透析)

[…] 翌朝、右の太もも全体が痛くて、あざの痛みの局所とは違うな・・・と違和感がありました。そして右腰に湿疹がまとまってできており、痛くもかゆくもない、いやな予感がしました。皮疹は小さな水疱ではないのですが、帯状疱疹?教科書とは異なる水疱でした+ワクチンについても で以前、帯状疱疹の話題をさせてもらったときのように、水疱がなくても帯状疱疹がありえます。もしかして・・・と皮膚科に受診しました。 […]

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