梅毒患者急増!ネフローゼ症候群、口内炎でも疑うべし。妊婦さんが心配です。

医療者、患者さん、念のため妊婦さん向けの梅毒のお話しです。最後にクリスマスのことも触れますね。

梅毒は年々増加している性感染症です

梅毒は性感染症の1つですが、年々患者数が急増しています!自分と関係ないと思っているかもしれませんが、知らぬ間に感染し発症している可能性はゼロではないのです。

今回のテーマに選んだのは、医療系漫画をチェックしていて「デンタルクエスト」を読んだばかりだからですし、先月感染者増加のニュースを知ったからです。ネタバレになりますが、デンタルクエスト1巻で3週間治らない口内炎の若い女性が梅毒とわかり、口内炎が梅毒の症状だったという話が載っていました。

梅毒感染者は年々増加、昨年過去最高の約1万3千人。今年上回る可能性

梅毒の詳しい情報は東京都の情報を参照してください。→https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/seikansensho/knowledge/syphilis/index.html

感染約3週間後の初期症状は性器や口内炎など感染部位への出来物など(症状消える)。

1か月で手足の発疹などの皮膚症状(症状消えることもある)。

その後潜伏して症状は出ないものの、数年から数十年で晩期梅毒で血管梅毒や神経梅毒など致死的になることもあるので、初期に症状に疑問を持たないまま、気づかずにいると命取りになります。

梅毒患者さんとの遭遇は神経梅毒、ネフローゼ症候群

医学生の病院実習では神経梅毒の患者さんを担当しました。今は気づかれずに晩期神経梅毒まで進む方は稀といいます。

腎内科医としては梅毒陽性のために、尿蛋白を多く出し、体がむくむネフローゼ症候群を発症した患者さんの治療をしたことがあります。

梅毒については本人が病気の原因として考えていないと、通常の問診(医師が患者さんの病気の経過や症状、既往を問う)ではわかりません。

ネフローゼ症候群の原因として感染症としては、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVウィルス感染があります。スクリーニングとして感染症の採血をしてはじめてわかるというケースがありますが、腎内科として診療担当した患者さんも問診ではわからず、検査結果で梅毒陽性と判明しました。

ネフローゼ症候群の治療にはステロイドの高用量を使用することが多いのですが、その原因が感染症などだったりするとステロイド治療は逆効果です。とうことで病気の原因を探すことは肝です。早期であれば梅毒は抗生剤の内服で症状が改善得られます。

妊婦さんの感染は胎児に危険が!

医療系漫画で産婦人科医が主人公の「コウノドリ」をご存じの方多いと思います。ドラマにもなりましたね。

コウノドリ25巻71話に梅毒陽性の妊婦さんの話がでています。梅毒患者増加のため、何度か一時無料公開されていました。関連した記事→https://gendai.media/articles/-/119716

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妊娠初期であれば梅毒の治療が可能(ただし母子感染は0にはならない)ですが、感染に気付かないもしくはその後に感染した場合は、流産や胎児死亡の可能性も上昇します。胎盤から子供に感染し、生まれた子どもは先天梅毒となる可能性があります。NHK漫画でわかる説明がてていました。参考にしてください。→https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20221216b.html

今年はさらに感染者数が昨年を上回りそうです。特に梅毒初期は疑って血液検査で調べないとわかりません。

医療者は鑑別として梅毒を頭に入れておく必要があります。患者さん側はもし梅毒の可能性、危険性があった場合に医療者に伝えることは自分の身を守ることになりますし、陽性の場合は心情的には難しいことですが性的な関係がある方に伝えて二次感染を防がなければなりません。

医療者、病院とクリスマス

クリスマス直前に重いテーマを選んでしまいましたが、病院、病気には行事もイベントも関係ありません。ただ病院によって、クリスマスコンサートを院内で患者さん向けに開催するところもありますね。

入院患者さんの食卓が少し豪華だったり、クリスマスのカードがついてうれしかったという声を聴きます。認知症の患者さんは何日かもわからないので、スタッフが「クリスマスですよ~」と声をかけ、私も患者さんに会うときには「今日はクリスマスですよ。もう1週間で年が変わりますね~」など話かけています。

長期の入院患者さんで面会ができる場合は、ご家族様や面会に来られる方にはその季節を感じされるものを飾ってもらうといいと思います(場所によっては禁止されているところもあるかもしれませんが)。クリスマスならサンタのぬいぐるみなり、カードなどを目に入るところに飾っておく。院内は景色や音では季節感がないので、少しでも四季や行事を感じてほしいと思います。

医師としてはクリスマスに当直(病院に泊まる病棟や救急外来の対応など)に当たらないといいなと思っても、当たることもあって、イベントの当日には期待しないでいました。

現在は働き方として家庭を考慮して、当直をしない病院を選んでいますので、クリスマスは仕事から帰って家族と過ごせるのはうれしいです。

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