これまで釣りの体験はありますか?
わたしは過去1回、本格海釣り体験をしたことがあります。
釣りに急に行くことになったという素人さん向けです。
寄生虫にも触れますので苦手な方は項目スキップしてください。
初期研修医時代にその日がやってきた 準備編から
コロナ前では診療科単位や外科系での旅行というのがよくありました。
私も初期研修医の頃に回っていた診療科での旅行があり、参加させてもらうことにしました。その時にどういうきっかけか記憶が不確かなのですが、診療科長との話で急に釣りにいくことになったのです。
他の研修医の先生1人と中堅の先生1人と自分と診療科長と計4名です。なぜ参加者が少ないのか?それは朝4時から出発するからでした。当時早起きは苦にならない、釣りが気になった私は一番の下っ端ながら行くことにしました。
そして釣りに行くと決まったのが出発の3日前。そう、釣り初めてには準備が全くないのですよ。あくまでも初期研修医で時間にそう余裕もありません。ただ幸運なことに釣り具の「上州屋」さんが近くにあったので、そこですべては揃うはずと期待感を持っていました。仕事が終わって文字通り上州屋に走っていき、釣りが素人で行くことになり、釣り具などは貸してもらうので恰好を揃えたいと伝え、長靴と上下の防水レインコートを購入しました。
出発編
当日は早朝4時。真っ暗な中、当時は病院敷地内に寮があり、診療科長以外はそこに住んでいたので玄関に車が迎えに来てくれました。車に乗り込み出発。運転は中堅の先生がしてくださいました。後部座席でうつらうつらとしている間に三浦半島へ。途中朝ごはんのおにぎり、お茶を買いました。釣り船は他の方も一緒で、釣り船が出るまでに朝ごはんやトイレをすませます。ここで釣り餌を購入しました。そして釣り船に乗り込みました。
大海原へGO!
釣り船で診療科長が海釣りベテランなのでリールの使い方、エサの付け方を習いました。エサは虫エサでしたが、自分でつけることができました。
はじめは日常診療からかけはなれた海の風景に感動していましたが、どこを見ても海なのでその感動も落ち着き、今度は釣りの成果が気になります。
この時は船に乗った人誰も当たりがなく、船長さんが別のスポットに移動。2時間は何も収穫がないまま過ぎました。その後診療科長がイナダ、カサゴを釣っていました。
初釣り
なかなかヒットしないままさらに時間が経過。4時間ほどたった時に、スポットを移動して、とうとうあたりが!
私にもきました。釣り糸がピンと張り、釣り竿が揺れ、きた!と喜びながら釣り上げる収穫物は「サバ」でした。海面にでてきたところを中堅ドクターにタモで採ってもらいました。そのエリアはサバの大群がいたのが全員がサバを釣り、私も6匹サバをゲットできました。
何も釣れないままで数時間は苦行ですが、この魚が釣れた!という満足でこの釣りの行程は一気にバラ色に思えました!現金な話です。
収穫を堪能する
旅館についたのは夕方で、もう診療科の面々は浴衣に着替えているころでした。温泉につかって一息。研修医時代のはじめての温泉だったと思います。
夜の宴会には収穫したサバはサバみそに、イナダはお刺身に、カサゴは何になったか覚えていませんが、旅館の方が調理してくださり、みんなのお腹に入りました。自分たちが釣った魚を食べるのは何とも言えない喜びがありますね。
魚を捌けますか?
魚を捌くことは昔の学校の調理実習くらいで、3枚おろししたな~という記憶だけでした。当時はほぼ魚を捌けなかったので旅館での調理で収穫物を頂けて大助かりでした。
その後も魚を捌くことがないまま過ぎています。また仮にサバ6匹を捌くのかというと慣れた人に頼みたい心情です。
もし捌けないならどうすれば・・・と検索するとSABAKIYA( https://sabakiba.com/ )という便利なサイトがありました。捌ける場所を紹介してくれる検索サイトです。漁港の近くには魚持ち込み可のお店はあるでしょうが、このようなサイトでお店の登録数は少ないものの、合致すると安心ですね。
生魚の寄生虫問題!
生魚で怖いのはアニサキスなどの寄生虫です。医学部生で魚の解剖をした際にアニサキスがいて・・・という話は耳にしますが、実際自分では標本以外ではみたことはありません。
農林水産省のサイトにアニサキスの予防(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/anisakis.html)で注意が出ています。映像から引用させていただきますが、「アニサキスは内臓から筋肉へ移動する、内臓をすぐにとる(下処理)、ー20度で24時間冷凍で予防できる、60度で1分以上加熱するとアニサキス幼虫は死ぬ」と注意は守りましょう。アニサキスが原因の食中毒が約半数ですので、生食は控えたいところです。
魚のヒスタミン食中毒
生魚が起こすわけではありませんが、採った魚をすぐに冷やすことが大事でヒスタミンの食中毒について注意が必要ですね。
原因となる食品は、ヒスチジンというアミノ酸が多く含まれる赤身魚とその加工品がほとんどです。平成24年から令和3年までに都内で起こった事例では、ブリが原因となった事例が最も多く、イワシ、シイラ、サンマがそれに続いています。
一度生成されたヒスタミンは、調理時の加熱等では分解されません。
そのため、ヒスタミン産生菌の増殖と酵素作用を抑えてヒスタミンを生成させないようにすることが大切です。原材料(魚の場合には死んだ瞬間から)から最終製品を食べるまでの一貫した温度管理が重要です。
東京都保健医療局
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.html#:~:text=%E8%B5%A4%E8%BA%AB%E9%AD%9A%EF%BC%88%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%80%81%E3%83%96%E3%83%AA%E3%80%81,%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
余談:寄生虫といえば
都内には目黒寄生虫館(https://www.kiseichu.org/)がありますね。デートスポットとも聞いたことがありますが、私も夫と見に行ったことがあります。私個人はわりと寄生虫慣れしているのでキャーもなく、説明を読んで普通に博物館のように思いました。お子さんと見に行くのもありですが、こじんまりとした建物になります。
また寄生虫の本、医学部時代には寄生虫、寄生虫博士といえば藤田先生、ユニークな先生と記憶しています。お会いしたことはありませんが「笑うカイチュウ」といくつか本を読みました。最近どうされているだろうと所在確認しましたら、2021年に81歳で亡くなられていました。
初釣りに行って
また釣りの機会があれば行ってみたいとは思うものの、その後は機会に恵まれずこの1回きりでした。初心者の釣りの注意点として参考になればと思います。
・船釣りではベテランの方に同行するか、初心者向けツアーに参加する
・事前準備 時期によりますが風が強かったり、しぶきをあびたり、濡れるので防水コート上下+長靴は装備する
・何度もするわけではない場合には、釣り具一式レンタルがおすすめ
・当日は早朝出発のため、前日は早く寝る 体調を整える
・いったん出航すると数時間は戻れないので体調は万全に、不安定なら辞める勇気を持つ
・釣りの収穫物はどこで誰が調理するか?決めておく
初心者向けの説明はこちらなど参考になります→https://www.veltra.com/jp/yokka/article/how-to-start-fishing/#topic3-2
釣りのプロには甘ぬるいのでしょうが、ちょっとやってみたいという方の参考になれば幸いです。
釣りに寄生虫の話を入れてしまって不快かもしれませんが安易な生食は大変ですので注意も兼ねています!
[…] 自分の研修医時代(医療要素少な目)→地域医療とお米と只見線 地域医療研修はいまでも医者としての糧です!(初期研修医時代) 海釣り体験談~初期研修医時代~ 寄生虫に注意です! […]