先日「「ビーズのおともだち」わかちゃんの本を知る 小児難病患者さんの今 移行期医療という考え方 小児の入院について」で小児科の入院の付き添いについて話をしました。
入院とならなければよいのですが、すでにお子さんが入院中だったり、今後入院する場合があると思います。そうなったときに思い返していだければと、子どもの入院体験を掲載します。お子さんの親御さん、家族向けです。
入院は予定か緊急か?
子どもの入院は手術などで予定で入院するケースと急な病気で緊急入院するケースと2通りです。これは大人も一緒ですね。予定入院では学校に通学されているお子さんでは長期休みに合わせてを希望されますので、春休み、夏休み、冬休みに手術予定を組み、その前後の入院となることが多くなります。低年齢のお子さんでは家族の付き添いが必要であると、付き添い家族の予定も含めて計画を立てることになります。
逆に緊急入院では予定もなく、そのまま入院で特にはじめての入院では準備する暇もありません。
子どもが0歳のとき、緊急入院することになりました。
生後の定期検診は異常なしでしたが、ある日子ども様子がおかしいので、自分の勤務先の病院に連絡しました。時間は16時過ぎで通常外来は終了していたため、当番の小児科の先生と電話で話し、救急外来の受診することになりました。こういうとき「すぐ来てください」と言ってもらえるのはありがたくて、安心します。
このとき、入院の可能性があるかもと思ったため、旅行バックに入院用として2泊分ほどの子どもと自分の用意をざっとしておきました。夫に入院となったら、これを持ってきてほしいと伝えました。夫にはわからないであろう化粧下地などのポーチも準備にいれておくのがポイントですね。日ごろから、どこになにがあるか?を家族で共有しておくのが大事です!
救急外来から直接入院へ
比較的病院までの距離が近いためタクシーを呼び、病院に行きました。
救急外来でバイタル(酸素飽和度、脈拍)を測ってもらい、採血や画像検査をして、経過観察目的に入院を勧められ、自宅で様子をみるのも不安なために入院をお願いしました。
子どもにとってはじめての入院となります。検査がすべて終わって緊急入院で部屋に入るときは深夜2時くらいでした。2時でも担当の先生が説明に来てくれました。
またその日は個室に入りましたが、個室は感染対策部屋ですぐ開ける必要があるとのことで、翌日には大部屋に移動しました。
大部屋では子どもが夜泣きをすると周りのお子さんや付き添いの方に迷惑がかかると思い、夜は子どもを抱っこして廊下にいたり、親切な看護師さんに人がいない小部屋にいさせてもらったりとして夜は過ごしました。
看護師さんからはおしゃぶりをすると安心するといわれてもっていなかったので急遽Amazonで購入し、夫に持ってきてもらいました。おしゃぶりで夜泣きが減るわけではなかったですが、多少は緩和されたようでした。
入院中、検査や外来受診に連れていく
入院後は基本は小児科病棟のベットの上で過ごしますが、小児科以外の診療のため外来受診に行ったり、検査に行ったりがありました。自分の勤務先のため検査や外来の場所がわかっているので、子どもと自分とで移動です。本来は看護師さんが先導してついていって受診や検査をします。
子どもの移動は持参の抱っこ紐です。はじめは心電図モニターが子どもについているので、絡まないように気をつけていました。
子どもの入院で家族の付き添いは?→病院次第
入院先では子どもに付き添いが必須でした。子どもの心のためというのもあるでしょうが、スタッフだけでは対応が不十分になるということです。
どこで寝るか?→子どもと一緒か簡易ベットか? 高齢者には大変!
子どものベットは子どもがベッドから落ちないように柵が四方を囲むベビーベッドタイプでした(https://seahonence.co.jp/hp/bed01/bc_lineup.htmlより写真転載させていただきます)。
付き添い家族はこのベッドで寝るか、別に簡易ベットを借りるかの2択です。簡易ベットは有料で1泊いくらとなります。
大部屋のため簡易ベットは子どものベットのすぐ横で、隣のカーテンに挟まれ、居住空間がベット×2で終わりの状態になります。まだ子供が小さいので一緒に寝るとしましたが、この選択が正解だったかは今もわかりません。
というのも子どもを押しつぶさないように注意して寝るのと体勢が不自然なので腰痛になりました。かといって簡易ベットも腰が痛くなりそうでしたね。入院が長期になる場合には簡易ベットで、もし可能ならば持参のマットレスを敷ければ腰痛対策にはなるかと思います。
家族の入院付き添いが必須だと大変!
現在はコロナの影響で入院の付き添いを控えたり、コロナPCRの検査をして陰性を確認して家族が付き添うなどとなっていると思います。あいかわらず家族には大変です。
当時の病院は付き添いが必須のため、母親である自分が24時間付き添うことになりました。第一子のみでしたのでよかったのですが、他に家に子どもがいるとなった場合は付き添いをすると家にいる子どもと離れるので苦渋の選択になってしまいます。
同室の付き添いの方も多くが母親でしたが、おばあちゃんに交替している家族さんもありましたが、あの簡易ベットを見ると高齢者の付き添いでは逆に身体が心配になります。
では、付き添いなしがいいのか?というと、別の病院に入院された知り合いの1歳前後のお子さんは付き添い禁止という病院で1カ月近く一人で入院となってしまい、それも子ども心にどうなのか?と心配に思いました。
心配なので付き添いが日や時間帯で選択制であればありがたいです。
付き添いの食事、シャワーは?
食事は付き添いの家族分は出ません。院内のコンビニまで行って買ってくるのですが、1日に何度も行けないので夕方に行ってその日の夕から昼分までを買ったりしていましたね。家族が差し入れてくれましたが、共同の冷蔵庫が使用できたのでできる技でしたが現在は共同冷蔵庫は場所的にダメとなっていると聞いたので、常温でも大丈夫なものにするか、食事のたびにコンビニに行くかです。
シャワーは小児科病棟内にあるシャワー使用可でした。順番を書いて15分ほどは使用可能、タオルは持参するため、当時は家族にタオルの選択をお願いして交換してやりくりしていました。シャワーのときは看護師さんに伝えていきますが、産後すぐということでもないので幼児をナースステーションで預かるということはありません。20分の不在で何かあったらと思うと不安です。当時はコロナ前だったため家族面会が可能でしたので、夕方に家族が面会に来た際に子供をお願いしてシャワーに行くとしていました。ただコンビニに行くときも家族にお願いしたり、時間が10分程度のためナースステーションへの声掛けで離れたりました。
病院は患者さんのためのところですので、付き添いのことで融通してくれるのは最低限のシャワーくらいですね。
服装は?
病棟内には看護師さんやドクターといった医療関係者が昼夜問わず勤務しているので、パジャマでいることは避けようと思ったのですが、リラックスできないので寝るときはパジャマ、それ以外の着るのが楽な普段着で過ごしていました。基本は小児科病棟で過ごしますが、院内のコンビニ移動ではほかの一般の患者さんともすれ違いますので、この恰好でいいかな?という恰好でいました。靴ではなく院内ではサンダルで楽に過ごしていました。
授乳にはケープ必須
乳児の時期だったため、子どもはごはんではなく、授乳とミルクの混合栄養でした。そのため、病室内での授乳では看護師さんや何か回診でカーテンが急に開かないかひやひやするので授乳ケープを活用しました。だいたい入る前に声をかけてくれますが、声をかけつつ入ってくる方が多いのでお互い気まずくならないようにの対策になります。ミルクは病院でお願いして出してもらいました。ミルク分は食費として請求されています。
感染症だと病室以外は出れない
入院した病棟は感染と非感染で部屋が分かれていて、双方の子どもの接触がないようになっていました。また、キッズスペースがあり、非感染の子どもはそこで遊ぶことができましたが、感染症の場合は基本部屋の隔離になるため、何か暇つぶしになるものが必要と思いました。乳児ですとニギニギなどで済みましたが、大きいお子さんだとそれなりに種類が必要ですよね。そして病院内では音の出るおもちゃは難しいので、基本静かに遊べるものとなります。
頼れる看護師さん
入院中は看護師さんのやさしさ、気さくさに助けられました。初めての入院、夜泣きなど、新米ママの自分にはいっぱいいっぱい、そして腰も痛い、自分の眠りも浅い・・・
それでいいのよ~という看護師長さん、主任さん、担当看護師さんたちには感謝です。もちろん担当医チームにもお世話になりますが、カンファレンスや外来や処置当番でバタバタ忙しく、病棟でメインに接するのは看護師さんでした。
数日入院できる準備は震災準備にもなる
地震に備えて数日分の震災バックを準備しているご家庭も多いと思います。その中に衣類は入っていますか?備蓄できる食材、水は賞味期限が年単位のため入れっぱなしでしょうが、子どもの衣類は成長期に合わせてリニューアルが必要です。緊急入院の際はとりあえず1-2日分の衣類や下着(おむつ)があれば過ごせるはずです。保育園リュックやバックに次の日の衣類を入れておくだけでも備えになるかと思います。
宅配の食材をストップしないといけない!
毎週末に我が家は食材の宅配を頼んでいるのですが、急な入院のときはその食材を料理する人も食べる人もいないのでキャンセルができればいいですし、できないと不要な1週間分の食材が余ってしまってもったいないのです。このときはキャンセルできずに夫になんとか消費してもらいました。予定入院でしたら事前にキャンセルの手配ができるのですが、緊急では無理ですね。
もったいないというとこの絵本「もったいないばあさん」です。子どもが借りて、面白くでリピートして読みました。芦田愛菜さんも子どもの頃に読んだ本としてあげていましたね。
その後は再入院なく過ごせていますが、退院後しばらくは何かあると救急外来へ走っていくという状態でした。第一子でナイーブにもなりますが、この時のことで自分が医療者として対応していた視点から、患者さんとしての利用者の立場になり多少客観的にみることができたかなと思っています。