子どもが眼鏡をかけられないとは?注意すべきこと~一部の保育園、幼稚園で装用制限あり~

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

わが子は3歳から遠視、弱視の治療用メガネをかけて過ごしています。詳しくは→子どもの目の話「弱視」 3歳から眼鏡で集中力UP!3歳児健診の重要性となぜ気づかないのか?(100投稿目) 

そんな中、一部の保育園や幼稚園では眼鏡をかけてはいけないという話を聞きびっくりしました。

幼児のお子さんの眼鏡予定の親御さんや問題に興味がある方向けです

「弱視や斜視の子どもの眼鏡装用などに関するお願い」が出された?!

昨年10月に日本眼科学会、日本眼科医会、日本小児眼科学会、日本弱視斜視学会、日本視能訓練士協会から連名で保育園、幼稚園、こども園に対してお願いが出されました(https://www.gankaikai.or.jp/school-health/detail2/__icsFiles/afieldfile/2023/10/12/20231013_glasses.pdf)下記転載します

上記の後半をピックアップします

園にお通いのお子さんの眼鏡は将来にわたって良い視機能を得る大切な治療用具です。眼鏡装用によって目の怪我や危険が多くなるという報告はありません。かえって目の怪我を防ぐことができる場合もあります。医師や保護者は子どもに眼鏡を一日中かけるよう指導をしています*。園にいる間に眼鏡をかけないと、その子どもは「眼鏡はかけなくてもよいもの」と思ってしまい、治療中断につながることもあり得ます。
子どもが、治療用眼鏡をしっかりかけることにより将来にわたり良い視機能を維持できるよう、園の皆様にもご理解いただき、保護者を含め周りの方が協力できるようお願い申し上げます。
屋内活動だけでなく、外あそびなどの時も眼鏡装用をお願いします。ただし、プールやマット運動などの場合は
除きます。詳細については眼科主治医にご相談ください。

https://www.gankaikai.or.jp/school-health/detail2/__icsFiles/afieldfile/2023/10/12/20231013_glasses.pdf

この文書を知って、びっくりしました。我が家の子どもの眼鏡装用は保育園で暖かく受け入れていただいて、全く眼鏡をかけない生活を想像できませんでしたから。

わが子の保育園の眼鏡導入から

弱視の診断や眼鏡装用までの詳細は子どもの目の話「弱視」 3歳から眼鏡で集中力UP!3歳児健診の重要性となぜ気づかないのか?(100投稿目)となります。3歳時に通園していた保育園は比較的大きい保育園だったため上のクラスに2名ほど眼鏡装用のお子さんがいました。同クラスにはのちもう1人眼鏡装用となるお子さんがいましたが、わが子が初眼鏡でした。

遠視、弱視の診断で眼鏡を作ることになった段階で、保育園のクラスの先生と何に気をつけたらいいかの相談をしました。3歳当時は眼鏡が外れるのを心配して「眼鏡バンド」を常用することにしました。このバンドは後ろ側からつけるため子ども本人ではできないので自宅では親が、保育園の昼寝前後などの着脱の際には保育園の先生にお願いしました。

「眼鏡バンド」をすると簡単には外れないので走っても多少のことではずれません。バンドはきつく締めすぎると頭が痛くなりますし、緩いとバンドの意味がないので適宜調整しました。

のちに眼鏡に慣れるとバンドなしで走ってもジャンプしても眼鏡が落ちることがないので1年ほどで眼鏡バンドをすることがなくなりました。当時はバンド2本持ちして、よく使用した1本はボロボロになりました。

眼鏡は昼寝と水遊び以外はつけ、昼寝と水遊びのときは外して眼鏡専用ケースを保育園の子どもの棚に常備して自分で入れることにしました。マット運動や鉄棒などでも眼鏡が外れることはありませんでした。

そして何よりも保育園には3人ほど眼鏡をいつもかけている先生方がおり、クラスの先生も眼鏡の先生で中には子供のことからかけているとおっしゃる先生もいたのでした。眼鏡の存在がすでにあるというのは新しく入るにも安心感があります。

そして

保育園の先生
保育園の先生

●●が眼鏡をかけるようになりました。とても大事なものですのでお友達が触ったり、とったりしないでください。

子どもが眼鏡をかけて登園する前に先生からクラス全体に眼鏡について注意をしたと言っていました。そのおかげで初めて眼鏡をかけていった日から転園するまで同じ3歳クラスも、上下のクラスのお子さんからもからかわれたり、眼鏡を触ったりされることがなく過ごすことができたのです。

転園後の園はクラス人数は少なくなりましたが、上のクラスに眼鏡をしているお子さんがおり、眼鏡ケースを保育園の本人の棚に置かせていただき、前の園と同じように昼寝、水遊び以外は眼鏡をかける生活がおくれました。転園の時期にはもう眼鏡バンドをせず保育園で過ごせていました。ちなみにちょっとしたジャンプで眼鏡の位置がずれたり眼鏡が落ちる場合には眼鏡側に原因がありますので眼鏡のお店で調整をしてもらってくださいね。

学会の声明にもあるように子どもの弱視が約50人に1人ということは1クラスの人数が10名程度の園でしたら1名は眼鏡のお子さんが、大規模の園では3名程度はいる計算になります。

子どもの眼鏡を壊すのは身内

このように保育園では眼鏡が壊れたことなく過ぎていますが、これまで眼鏡修理が2回必要となりました。

原因は下の子どもが2回もツルの部分を踏んだり、曲げたりしてしまいテープで修正を試みましたがかけることもできなくなり、ツルの部分の交換が必要になりました。眼鏡屋さんに事前に連絡をして15分ほどで交換してもらいましたが5千円かかりました。1カ月で2回壊されたので痛い出費でした。

ですので今でも寝っ転がって2人で遊ぶようなときは眼鏡をはずして!と声をかけて眼鏡が壊れないように気をつけています。

眼鏡禁止の園が一部である(伝聞)

これまでの通園先でも周りでも眼鏡の受け入れしていただきました。ただ眼鏡禁止の園がどこには存在するので、前述の学会声明が出されたのでしょう。ただ禁止の園でも眼鏡の重要性はわかったうえでの対応ではとも考えます。

その園を特定する必要はありませんが、おそらくモンスターペアレント対策ではそうなってしまったのではないかと思います。というのも治療用眼鏡は特殊なためレンズを含めた価格が4~5万円かかるのです。購入時は年齢に応じて補助があり8割ほどお金が戻ってきますので、自分での負担は1万円弱と思います。壊れた場合の修理や再購入費用には補助がありませんので実費になります。

もし保育園で眼鏡が壊れた場合、責任を保育園やかかわった保育士、他のお子さんに求める、とにかく管理が悪いなどと保育園のせいにするような保護者がいるとしたら、その元凶の眼鏡は外しておいてほしいとなるのでしょう。

自分も患者さんや家族からのクレーム対応には辟易しています。→カスタマーハラスメント?!患者トラブル発生!モンスターペイシェントとその家族 対応方法、心構え伝授します

眼鏡は貴重品です

貴重品は本来保育園には持ち込みません。その貴重品である眼鏡を装用するのであればその責任は持ち込む側の本人となります。園では眼鏡の大切さを子どもたち、スタッフへ周知していただき、その管理は基本は本人、どんなときに眼鏡を外し、どこに保管するのかを事前に園側と打ち合わせ、貴重品である眼鏡の紛失や破損については園に一切責任を問わないという約束をはじめにする、そうすればその管理責任は問われないので保育園、幼稚園、こども園での眼鏡装用が全国で実施できるのではないでしょうか。

眼鏡をかけない時間は平日の約半分に

保育園の場合は保護者の仕事にもよりますが多くは平日8~9時間ほど過ごします。幼児が7~21時の生活として昼寝を除くと起きている時間は12時間程度です。平日8時間保育園で過ごしうち昼寝1~2時間で考えると、眼鏡がないと6~7/12→約半分は眼鏡なしとなります。週末は眼鏡をかけ続けるとしても平日半分の時間、特に日が出て活発に動く時間帯に眼鏡がないと子どもの視機能発達は遅れるでしょう。6~8歳までに眼鏡装用をし続けないと視力は出にくくなり、卒園後にでは手遅れです。

治療ゴールデンタイム、タイムリミットを逃さず、視力UPを目指すには、保育園、幼稚園、こども園での眼鏡装用です。

前述の学会声明と同一文書より転載(https://www.gankaikai.or.jp/school-health/detail2/__icsFiles/afieldfile/2023/10/12/20231013_glasses.pdf

女医ママ
くまさん
女医ママ くまさん

幸い我が家では保育園で眼鏡トラブルなく、眼鏡に関する文書の取り決めはありませんが、眼鏡に何かあっても持ち込んだ側の責任と思っています。

子どもの視力が眼鏡で1.0-1.2程度に上がり、眼鏡生活に感謝、その生活を送れる保育園に感謝します!

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